【質問】
いつも、韓国のECサイトから洋服を仕入れしてましたが、先日、直接仕入先とメールでやり取りする機会があり、私が日本の販売代理店となることが決まりました。これから契約を交わすのですが、どういうことに気を付ければいいのでしょうか?
【回答】
輸入取引にあたり、商流の下流から必要な事項を抑えていくことがポイントです。
下流から抑えていくことで、商流の途中で商品・カネが止まる要素を取り除きます。下流になるほど、被害が大きくなるためです。
例えば、日本で販売する段階で法的な制約、許認可を得てないという理由で販売不可となると、在庫を抱えるだけとなり損失も大きくなります。
今回の取引の場合、最下流にあたるのは、貴女のお店から買う一般消費者となります。そして、決済、輸入通関、仕入先からの輸送、仕入先との契約という順番で上流となります。
それぞれのステージで何が必要か考えてみましょう。
すでに実績があるから、問題ないと思いますが、貴女がお客様へ販売するとき必要な許認可、資格がもしあれば、まずはそれを取得しましょう。
次に決済。
先払いすべきか、後払いで良いか、支払い周期はどうなのか?支払いタームと決済方法を決めましょう。
初めて契約をするとのことなので、仕入先は先払いを求めてくると思います。しかし、貴女は先払いで本当に不良品でない商品が届くか不安になると思います。
そこで、信用状(L/C:Letter of Credit)付荷為替手形による決済をおススメします。
信用状(L/C:Letter of Credit)決済とは、銀行を介して輸出者とカネのやり取りをすることで、輸入者は前払いをする必要がなくなり、輸出者は商品を送り出した後でも代金回収できます。
輸入通関をどうすべきか見てみましょう。
日本へ到着した際、関税・輸入消費税を支払う必要があり、販売価格に転嫁するのなら、いくらくらいかかるか調べておきましょう。
洋服の場合、織り方で関税が変わります。通関業者を手配する際には、見積をもらうときに、商品にかかる関税も調べてもらってください。
さらに、植物防疫、動物検査、食品検査など、検疫の有無も通関業者へ確認してください。
検疫時に、輸出側からの提出書類が必要な場合があります。
書類が必要な場合、書類を用意できるか仕入れ前に、輸出者へ確認しておくことで、事前に輸入可否を判断でき、仮に輸入できなくとも損失を小さくできます。
次に、輸送を見ましょう。
輸送は、輸送のどの部分を輸出側、輸入側で負担するかで、輸送費用が変わります。
よって、インコタームズを基に、輸出者と取り決めてください。
上記の内容を踏まえ、輸入~販売までできることを確認できたら、仕入先と契約を結びましょう。
貿易関連の契約は、商流の下流から抑えることが肝要!!!