【質問】
今、流行りのCBD(カンナビジオール)を輸入したいんだけど、どうやればいいの?大麻成分だそうだけど大丈夫?
【回答】
最近、CBD(カンナビジオール)を耳にすることが増えましたね。
そもそも、CBDとは何でしょうか?
大麻からとれるカンナビノイドという成分の一つで、麻(大麻草)の茎や種子から抽出される成分です。大麻由来の成分ですが、精神へ与える作用(精神作用)や中毒性がないと言われます。
●CBDの効果
CBDは、大麻植物から抽出される化合物の一つであり、その効果はさまざまな研究や報告から明らかになっています。ただし、個々の体験や反応は個人によって異なることを理解しておく必要があります。
以下は、一般的に報告されているCBDの効果です:
- 不安やストレスの軽減: 多くの人がCBDを不安やストレス管理の補助として使用しています。研究では、CBDがセロトニン受容体に影響を与え、不安を軽減する可能性があることが示唆されています。
- 睡眠の改善: CBDは一部の人にとって睡眠を改善するのに役立つと報告されています。不眠症や睡眠障害の緩和に効果がある可能性があります。
- 炎症の軽減: CBDは抗炎症作用を持つと考えられており、関節炎や炎症性腸疾患などの炎症性疾患の症状を軽減するのに役立つとされています。
- 痛みの軽減: CBDは鎮痛作用を持つとされており、慢性的な痛みや神経性疼痛の緩和に効果がある可能性があります。
- てんかんの管理: CBDはてんかんの発作を減少させる効果があるという研究結果があります。特に、難治性のてんかんに対してCBDが有効であるとされています。
これらは一般的な効果ですが、CBDの利用には個々の健康状態や体質、摂取方法などによって異なる反応があることを覚えておく必要があります。また、CBD製品の品質や純度も効果に影響を与えるため、信頼できる製品を選ぶことが重要です。
●日本のおけるCBD
2013年ごろより日本でもCBDは合法的に利用はされており、海外では抗てんかん剤として利用されてました。日本でも大麻草原料の医薬品の利用を認める改正大麻取締法が2023年12月6日の参院本会議で可決、成立しました。この法改正で医療現場で実際に利用できるようになりました。
CBDは合法とされてますが、中毒性がある有害成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)は規制対象となります。
2024年4月26日には厚生労働省の専門部会で、大麻草由来の抗てんかん剤(海外での販売名はエピディオレックス)の希少疾病用医薬品への指定を了承しました。(2024年4月26日日経新聞より)
●輸入の方法
では、どのようにCBDを輸入すれば良いか?
やはり、大麻由来のため非常に厳しいのが現実です。まずは麻薬取締部に該否確認をしてもらう必要があります。(大体2ヶ月はかかるようです)
代理・代行は一切認められておらず、「輸入者本人」が麻薬取締部へ確認する必要があります。
大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたCBD(カンナビジオール)を含有する製品については、大麻取締法上の「大麻」に該当しませんが、当該製品を輸入する前に、麻薬取締部においてその該否を確認しております。
確認の手続きについては以下をご確認の上、担当部署へとご連絡ください。
もし大麻取締法に違反した場合、次のような罰則があります。
栽培/輸出入:懲役7年以下 (営利:懲役10年以下+300万円以下の罰金)
所持/譲渡譲受単純:懲役5年以下 (営利:懲役7年以下+200万円以下の罰金)
厚労省麻薬取締部
●必要書類(麻薬取締部より引用)
次に、大麻取締部へ確認してもらうために送る書類は次のものとなります。
①証明書「大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造されたCBD製品であること」を証明する内容の文書
●証明書には、以下の内容が記載されていることが必要です。
・書類の作成日・製造元の責任者の署名及び肩書
・輸入しようとするCBD製品のCBDが大麻草の成熟した茎又は種子から抽出
・製造されたものであること
②成分分析書輸入しようとするCBD製品のロット番号ごとの検査結果が記載された分析書
●成分分析書には、以下の内容が記載されていることが必要です。
・THC、CBDの分析結果・分析日又は分析書作成日
・CBD製品のロット番号等輸入する製品が特定できる番号
・分析機関の責任者又は分析実施者の署名及び肩書・分析方法及び検出限界値(LOD;LimitofDetection)
・フレイバーが異なれば、フレイバーごとに成分分析書が必要です。
③写真等CBDの原材料の写真、製造工程の写真等<原材料>
・CBDの原材料として、大麻草の成熟した茎または種子のみを利用していること(大麻草の葉、花穂、枝、根等を使用していないこと)を証明する写真が必要です。
・原材料の一部分を撮影した写真では、根や枝などが無いことを確認できないため、原材料となる茎などの全体像がわかる写真が必要です。<製造工程>
・一例として、大麻草の成熟した茎等を機器に入れている様子や大麻草の成熟した茎等から抽出している様子を撮影した写真や、製造工程が分かる資料(フローチャート等)等が挙げられます。
・あくまでも、CBDの原材料として大麻草の成熟した茎又は種子以外が使われていないかを確認するためのものですので、上記に限定されるものではありません。原材料及び製造工程の写真が鮮明でない場合には、確認ができない場合があります。
【補足:輸入しようとするCBD製品が、大麻草から作られていない場合】
①証明書化学合成により得られた CBD を用いて製造された CBD 製品であることを証明する内容の文書
●証明書には、以下の内容が記載されていることが必要です。
・原料となる化学物質
・合成方法・書類の作成日
・製造元の責任者の署名及び肩書
・輸入しようとするCBD製品のCBDが化学合成により得られたものであること
②成分分析書輸入しようとするCBD製品のロット番号ごとの検査結果が記載された分析書
●成分分析書には、以下の内容が記載されていることが必要です。
・THC、CBDの分析結果・分析日又は分析書作成日
・CBD 製品のロット番号等輸入する製品が特定できる番号
・分析機関の責任者又は分析実施者の署名及び肩書
・分析方法及び検出限界値(LOD:Limit of Detection)
●輸入するには?
無事、麻薬取締部の確認が終わっても、実際に輸入する際には、次の法律をクリアする必要があります。
・薬機法
・食品衛生法
CBD自体が医薬品に該当することはないのですが、意図せず医薬品に該当する成分が含まれてしまっていることがあります。成分に医薬品が入ってないか、各都道府県の薬務課へ問い合わせましょう。
また、化粧品として輸入する際は、薬機法における化粧品として輸入をする必要があります。
●販売するには?
ラベルや説明書に薬機法に該当する文言が入ってないかを気をつける必要があります。
その判断は、弁護士事務所、専門の行政書士へ依頼することを強くお勧めします。
消費者庁への確認も忘れずに。
以上の通り、大変厳しいため簡単にオススメできるものではありません。
費用がかかりますが、一般社団法人日本カンナビジオール協会の協力を得るのも手段の一つでしょう。
必ず麻薬取締部にまずは確認してください!
「みんなの貿易」へもお気軽にお問合せください。