「みんなの貿易」の吉川世海(ヨシカワトシミ)です。今、中央アジアへのビジネス機運が盛り上がっております。中央アジアは、豊富な天然資源と地政学的にも重要な位置にあり、日本という国家としても、日本企業にとっても魅力のあるパートナーとなります。
中央アジアとは?ー日本との関係、貿易の現状ー
中央アジア地域と言われる国は、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタンの5カ国を主に指します。
歴史的にもシルクロード上にあった国々のため、日本との関わりも古来よりある地域です。
日本は、1991年に中央アジア5か国がソ連から独立すると、翌年にはいち早く外交関係を樹立。以降、共通の課題を抱えるこの地域の国々が協力し合うことが大切との考えから、国境管理、テロ・麻薬対策、産業振興、人づくり、防災、運輸物流、農業、観光などの分野で実践的協力を進め、地域内協力の促進を支援してきました。

引用:外務省サイト
現在は「中央アジア+日本」対話という2004年8月、川口外務大臣(当時)により、中央アジア諸国との対話と協力の枠組みとして立ち上げられました。
日本としては、自由で開かれた中央アジアが、法の支配に基づく国際秩序を維持・強化し、持続可能な発展を実践するために協力を継続しています。
中央アジア各国の紹介

日本から見たら、「中央アジア」と一括りにされ、場所もよく分からないという方も多いと思います。
そこで、中央アジア5カ国について紹介していきます。
ウズベキスタン
正式名称「ウズベキスタン共和国」
面積:44万8,969平方キロメートル(日本の約1.2倍)
人口:3,570万人(2024年:国連人口基金)
首都:タシケント(Tashkent)
言語:ウズベク語(テュルク諸語に属する。但し、タシケント、サマルカンド、ブハラ等主として都市の諸方言はペルシア語の影響を強く受けている)。またロシア語も広く使用されている。
宗教:主としてイスラム教スンニ派
略史:モンゴル帝国、ティムール帝国、ロシア帝国、旧ソ連の一部となる歴史を経て、1991年独立
主要産業:綿繊維産業、食品加工、機械製作、金、石油、天然ガス
主要貿易品目:
(1)輸出:金、サービス、綿、化石燃料、銅等
(2)輸入:機械・輸送機器、化石燃料、サービス、電気機器・音声映像機器、車両等
(2024年:ウズベキスタン大統領付属統計庁)
通貨:スム(Sum:1994年6月27日導入)
カザフスタン
正式名称「カザフスタン共和国」
面積:272万4900平方キロメートル(日本の7倍、世界第9位。旧ソ連ではロシアに次ぐ。)
人口:1,980万人(2024年:国連人口基金)
首都:アスタナ(Astana)
言語:カザフ語が国語。(ロシア語は公用語)
宗教:イスラム教(69.2%)、キリスト教(17.2%)、無宗教(2.3%)、無回答(11.0%)(2021年:カザフスタン国勢調査)
略史:カザフ・ハン国が15世紀にでき、ロシア帝国、旧ソ連の一部となる歴史を経て、1991年独立
主要産業:石油・天然ガス、鉱業、農業、冶金・金属加工
主要貿易品目:
(1)輸出:燃料およびエネルギー、金属・金属製品、化学製品、動・植物製品、調理済み食品
(2)輸入:自動車・機械、化学製品、動・植物製品、調理済み食品、金属・金属製品、鉱物製品、繊維および繊維製品
(2024年:カザフスタン共和国戦略計画・改革庁国家統計局速報値)
通貨:テンゲ(Tenge)
キルギス
正式名称「キルギス共和国」
面積:19万8,500平方キロメートル(日本の約半分)
人口:680万人(2024年:国連人口基金)
首都:ビシュケク(Bishkek)
言語:キルギス語が国語。(ロシア語は公用語)
宗教:主としてイスラム教スンニ派
略史:15世紀にコーカンド・ハン国による支配、その後ロシア帝国、旧ソ連の一部となる歴史を経て、1991年独立
主要産業:農業・畜産業、鉱業(金採掘)
主要貿易品目:
(1)輸出:金、衣料品・服飾雑貨、野菜・果物、金属くずなど
(2)輸入:自動車、ガソリン、軽油、医薬品、圧延金属、灯油など
(2023年:キルギス共和国統計委員会)
通貨:ソム(Som:1993年5月10日導入)
タジキスタン
正式名称「タジキスタン共和国」
面積:約14万2,600平方キロメートル(日本の約40%)
人口:1,030万人(2024年:国連人口基金)
首都:ドゥシャンベ(Dushanbe)
言語:公用語はタジク語(イランのペルシア語やアフガニスタンのダリー語などとともにイラン語派の西方方言群に属する。)。ロシア語も広く使われている。
宗教:イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。
略史:モンゴル帝国、ティムール帝国、シャイバーン朝、ブハラ・ハン国、コーカンド・ハン国による支配、その後ロシア帝国、旧ソ連の一部となる歴史を経て、1991年独立
主要産業:農業(綿花)、アルミニウム生産、水力発電
主要貿易品目:
(1)輸出:貴石・半貴石・貴金属、鉱物製品、、卑金属
(2)輸入:鉱物製品、車両、機械類
(2023年:タジキスタン共和国大統領府付属統計庁)
通貨:ソモニ(Somoni:2000年10月30日導入)
トルクメニスタン
正式名称も「トルクメニスタン」
面積:48万8,000平方キロメートル(日本の約1.3倍)
人口:660万人(2024年:国連人口基金)
首都:アシガバット(Ashgabat)
言語:公用語はトルクメン語(テュルク諸語に属し、トルコ(共和国)語やアゼルバイジャン語に近い)。ロシア語も広く通用。
宗教:主としてイスラム教スンニ派
略史:14世紀~16世紀、現在のトルクメン諸部族の形成が進み、その後ロシア帝国、旧ソ連の一部となる歴史を経て、1991年独立
主要産業:鉱業(天然ガス・石油など)、農業(綿花)、牧畜
主要貿易品目:
(1)輸出:天然ガス、石油、石油製品
(2)輸入:機械設備・装置、ベースメタル及びその製品、化学製品・化学産業製品
(2022年:トルクメニスタン国家統計委員会)
通貨:マナト(Manat:1993年11月1日導入)
引用:外務省
中央アジアと一括りにされがちですが、各国で特色があることが分かると思います。
日本とのビジネスにおいて、各国の方々と話をされる際は参考にしてください。
中央アジア市場の魅力と特徴ー日本との貿易でどう活かす?ー
ビジネスにおける中央アジアの魅力とは何でしょうか?
「石油」「天然ガス」というところなら思いつく方々も多いと思いますが、他にも魅力がたくさんあります。それら魅力を解説していきます。
豊富な天然資源

やはり、まずは先述の通り「天然資源」があげられます。中央アジア諸国は、石油、天然ガス、ウラン、金、銅、綿花などの豊富な天然資源に恵まれています。特にカザフスタンは世界最大のウラン産出国であり、エネルギー安全保障の観点から日本にとって重要なパートナーです。
ウズベキスタンは、リチウム、黒鉛、マグネシウムなど32種類の重要鉱物が埋蔵されており、EUや韓国、マレーシアなどとの連携が進んでいます。しかし、レアメタル関係については政府のコントロール下にあるので、コネクションが無いと進めるのは難しいです。
参考:株式会社MInamin様:ウズベキスタン投資について、代表的な投資など最新情報をまとめました
中央アジアに関するレアメタル、天然資源関連に興味のある方々は、弊社のビジネスパートナーとしてご協力頂いている、株式会社Minamin様へもお問い合わせください。
成長する市場規模
総人口約7,500万人を抱える中央アジア市場は、経済成長とともに消費力が向上しており、日本製品への需要が高まっています。特に高品質な工業製品、技術、サービスに対する関心が強く、日本企業の競争優位性を活かせる分野が多数存在します。
日本の中古車も人気があり、トヨタなんかは人気の的です。ただし、ウズベキスタン
ただし、ウズベキスタンでは、右ハンドル車の登録と使用が禁止されており、右ハンドル車の輸入自体が禁止されています。(参考:JETROより)
参考:日本製品など、日本企業の中央アジア(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス)進出と販路拡大
地理的優位性
中央アジアは、ヨーロッパ、アジア、中東を結ぶ交通の要衝に位置し、「新シルクロード」の中核地域として物流ハブとしての機能を果たしています。
さらに、今、ロシアとウクライナが戦争中であり、ロシア、中国、ウクライナに目を向けがちな中、地政学上、優位な位置にあります。経済的には中国との関係が強化される中、西側諸国との間でバランスを取りつつ多角化外交を展開しています。
ロシアからの輸出入をこれまでしていた人にとっては魅力的な地域ともいえます。
参考:外務省
日本と中央アジアとの貿易事業構築のステップ
中央アジアでの貿易事業を構築するため、そのフローを説明してみます。

1. 市場調査・情報収集
まず各国の政治・経済情勢、法制度、商慣行について詳細な調査を実施します。現地のビジネス環境、競合状況、顧客ニーズを把握することが肝心でしょう。
上記の通り、中央アジアといえど、国ごとによって、文化も言葉、宗教も異なるので、それぞれに配慮した対応が必要となります。
2. 現地パートナーの選定
中央アジアでの事業展開には、信頼できる現地パートナーとの連携が不可欠です。政府系機関、民間企業、商工会議所等との関係構築を通じて、適切なパートナーを見つけることが重要です。
そのためには、JETROや、私のビジネスパートナーである、株式会社Minamin様を頼るのも一つの手段でしょう。
3. 法務・税務の検討
各国の外国投資法、税制、労働法等を理解し、適切な事業形態(現地法人設立、駐在員事務所、代理店契約等)を検討していきます。
4. 資金調達・リスク管理
貿易するなら、政治リスク、為替リスク、カントリーリスクを適切に評価し、NEXI(日本貿易保険)等の公的機関の活用や、国際的な保険・金融サービスの利用を検討します。
保険の種類は多種多様あるので、NEXIへ相談してみましょう。
支援機関・制度の活用
政府系支援機関
- JETRO(日本貿易振興機構): 市場情報提供、現地サポート
- NEXI(日本貿易保険): リスク保険
民間支援サービス
- 商社・総合商社の活用
- 専門コンサルティング会社
- 法務・会計事務所
- 物流・貿易実務サポート
例えば、株式会社Minamin様でしたら、中央アジアへの視察旅行、通訳手配から政府閣僚とのコネクションまで持ってますので、進出する際は大きなサポートを期待できます。
注意すべきリスクと対策
文化・商慣行の違い
イスラム文化圏特有の商慣行を理解し、現地の文化に配慮したビジネスアプローチが重要です。
インフラ・物流の課題
内陸国であることから2カ国以上跨いで配送するということも発生し、物流コストが高く、輸送インフラの制約があります。
まとめ
中央アジアとの貿易事業構築は、今の地政学的に大きな成果を期待できる分野です。豊富な資源、成長市場、地理的優位性を活かしつつ、現地の特性を理解し、信頼できるパートナーとの連携が必須となります。
中央アジア市場での事業展開は日本企業にとって、成長できるブルーオーシャンでしょう。
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