海外との仕事をすると、契約時に、L/Cという用語を聞くことがあります。よく行われる決済方法なので、海外ビジネスをやるなら知っておきましょう。
L/Cとは、Letter of Creditの略で日本語だと信用状という意味です。
信用状という名前から想像できる通り、売り手(輸出者)と買い手(輸入者)の相互で信用できる決済をすることが目的です。
では、信用できる決済とは何でしょうか?
L/Cは、売り手と買い手の間で、商品の引渡しと支払いの条件を確立させることです。
L/C決済を利用することにより、前払いしたにも関わらず、買い手が売り手より商品を入手できない恐れや、逆に、後払い条件で、売り手が商品を買い手へ引き渡し後の不払いを起こすことを防げることができます。
L/Cは買い手と売り手だけでなく、銀行が介在して決済をすることで未払いや商品の引き渡しを確実なものにします。。
概略は、買い手の取引銀行が売り手宛てにL/Cを発行し、売り手が信用状条件に基づく書類を提示することで、銀行が買い手に代わり、商品代を支払うことができるのです。
非常に煩雑な処理になる為、売り手と買い手の間に信頼関係ができたら、T/T決済(Telegraphic Transfer Remittance: 電信送金)へ変更していくのもありでしょう。
以下は、L/C決済の一般的な流れです。(Chat GPTで作成)
- 取引合意: 買い手と売り手が商品やサービス、価格、条件などの取引条件に合意します。
- L/Cの発行申請: 買い手は銀行に対してL/Cを発行するように申請します。L/Cは売り手に対する支払いの保証書であり、銀行が買い手の代理として売り手に支払いを行うことを約束します。
- L/Cの発行: 買い手の銀行がL/Cを発行します。このとき、取引条件や支払いのスケジュール、船積み書類などがL/Cに明記されます。
- L/Cの通知: 売り手の銀行がL/Cを受け取り、売り手に通知します。L/Cの条件に基づいて売り手は取引を進めることになります。
- 商品の出荷またはサービスの提供: 売り手はL/Cの条件に基づいて商品を出荷するか、サービスを提供します。同時に、船積み書類や関連する書類を用意します。
- 書類の提出: 売り手はL/Cに規定された書類(船積み書類、輸送書類、請求書など)を銀行に提出します。
- 銀行の審査: 銀行が提出された書類を審査し、L/Cの条件と一致するか確認します。条件が満たされていれば、銀行は買い手に対して支払いを行います。
- 買い手への支払い: 銀行が支払いを行った後、買い手は商品やサービスの所有権を取得します。買い手は支払った金額に対応する書類を受け取ります。
- L/Cの解約: 取引が完了した後、L/Cは解約されます。
L/C決済は、取引の安全性と信頼性を高めるために使用されます。銀行が支払いを保証するため、買い手と売り手の両方にとってリスクが軽減されます。
しかし、取引の信頼性を向上させる一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下にその主なデメリットを挙げてみましょう。(Chat GPTで作成)
- 手数料: L/Cの発行、通知、審査、支払いなどには銀行が手数料を請求します。これにより、取引の総コストが増加する可能性があります。
- 手続きが煩雑: L/C取引は複雑で手続きが煩雑です。取引当事者は特定の書類や手順に従わなければならず、それが誤ると取引が滞る可能性があります。
- 時間のかかるプロセス: L/Cの手続きは時間がかかります。書類の提出から支払いまでに数週間かかることがあり、これが迅速な取引を妨げる可能性があります。
- 適用範囲の限定: L/Cは主に国際取引に使用されますが、国内取引ではあまり一般的ではありません。また、一部の取引者はL/Cを避ける傾向があります。
- 柔軟性の欠如: L/Cは非常に厳格な条件で取引が進行されるため、変更や修正が難しいことがあります。取引の途中で条件を変更する必要がある場合、手続きが難しくなります。
- 不正のリスク: 不正行為があった場合、例えば書類の偽造などが行われた場合、銀行が審査に不備を見逃す可能性があります。これにより、支払いが行われるものの商品やサービスが正確に提供されないリスクが生じます。
- 買い手と売り手の信頼性: L/Cが発行される前に、買い手と売り手は銀行の信頼性を確認する必要があります。信頼性の問題が生じれば、取引が難しくなります。
このようなL/C決済の特徴から、はじめて取引する相手には有効な手段です。銀行で取り扱ってますので機会があればL/C決済を利用してみましょう。